Worldship Orchestraのダイジェスト映像を頂きました。

創設時より関わらせて頂いて、現在は正指揮者を務めておりますWorldship Orchestraのダイジェスト映像を作って頂きました。僭越ながら私が「ワールドシップ」という名前を付けさせて頂いて以来、かなり多くの時間をこのオーケストラと共に過ごしてきただけに、こうやって活動を纏めて頂くと感無量なものがあります。

正指揮者としての仕事は、本番を指揮するのは勿論のことながら、全体の雰囲気をつくることにあります。なかでもトータル・コンセプトの練り上げ、具体的な曲目の選定というのが最も重要な仕事のひとつといえるでしょう。弾くほうにとっても聞くほうにとっても頭から離れなくなるぐらい魅力的で、野外など十分ではない音響空間でも聞かせることができて、現地の「場」の雰囲気と好相性で、視覚的にも惹き付けられるものがあり、それぞれの楽器の魅力が十分に伝わり、何よりも心揺さぶられる曲を取り上げたいと考えてきました。

そして、有名な曲を交えつつも、ただ有名どころを並べるのではなく、背後に一貫したコンセプトや練られた思想があることを何よりも大切にしてきました。ですから、このツアーに参加して下さった方々がプログラムのことを褒めて下さったり、「どの曲も大好きで頭から離れなくなった!」といってくださるのが私にとって無上の喜びとなっています。

さらに、演奏する順番ひとつで盛り上がりは劇的に変わってきますから、選び抜いた曲をどう並べて、どのような流れで聴衆にプレゼンンテーションするかを柔軟な形で考えなければなりません。それは「ひらめき」としか言いようのないもので、代表の野口さんと共に、集まったメンバーの顔ぶれを見ながら、あるいは会場に入った瞬間に、即興的に決めてきました。演奏会場に到着した最初の数十秒間、その場の雰囲気を全身で摑み取ることが毎回の楽しみなのです。

頂いた動画には、こうやって自分が大切にしてきたものがきちんと現れているように思います。運営の方々の努力はもちろん、演奏者や撮影隊として参加して支えて下さった皆様の力なくしてここまで至ることは出来ませんでした。関わって下さった方々や応援して下さった方々に心より御礼申し上げます。

わずか120秒の動画ですが、きっと伝えたい想いが伝わると信じています。ぜひご覧下さい。そして、これからも沢山の方とWorldship Orchestraで音楽を一緒できることを楽しみにしています。