吉行淳之介の魅力

小さい頃から吉行淳之介の作品が好きだった。「砂の上の植物群」「夕暮れまで」「闇の中の祝祭」などなど。陰りを帯びた世界の中で描かれる独特の危うさが好きだった。吉行淳之介を読んでみよう、と思い立ったのは、原田宗典氏の『おまえ […]

指揮を教えるということ

昨夜の指揮レッスンはとてもメモリアルな一日となった。亡き師より仰せつかり1から教えさせて頂いたお弟子さんが、初級課程を2年間かけてついに修了したのだ。折しもその日は私の28歳の誕生日。初級課程の最後の課題としていたギロッ […]

三冊をめぐって

あるインタビューでおすすめの本を三冊紹介してほしい、ということだったので、かなり悩んだ末に、コクトー『僕自身あるいは困難な存在』(La Difficulté d’être)と、リルケ『マルテの手記」(Die Aufzeichnungen des Malte Laurids Brigge)と立花隆『青春漂流』の三冊を挙げました。コクトーは僕の人生を大きく動かした一冊。今までのブログ(http://kenbunden.net/wpmu/kbd_kimoto/)でも何度も取り上げてきましたし、色々なところからインタビューを頂いても必ず挙げるものです。「射撃姿勢をとらずに凝っと狙いを定め、何としてでも的の中心を射抜く」など、頭の中から離れなくなる言葉と強靭な思考で溢れています。