Singing and Thinking like Beethoven.

アカデミーヒルズさんでの鼎談を終えました。事前打ち合わせで聞いていた進行と全く異なって、私の持ちパートが全て飛ばされてしまい、準備していた組織論などの話をすることができなかったのが大変に心残りです。今回のために新しい内容を数日かけて準備していたのですが…。せめて、音楽が「橋」であり、世界を知る手がかりになりえるということが伝わっていればと願います。

ベートーヴェンのように考え、歌うこと。それがどういうことかというと、逆境をポジティブに切り返し、自分の道をラディカルに開いていくエネルギーを溢れさせることではないでしょうか。ちょうど耳が聞こえなくなった頃になされた「私はこれまでの自分の仕事にあまり満足していません。今後は新しい道を歩むつもりです」という宣言の強さ!究極的には、彼の残した数々の作品は、人間とは何であるのかという問いに行き着くのではと感じています。

そう。すなわち「ベートヴェンのようにある」とは、ラディカルに人間であること。Il faut radicalement humaine.ラディカルに人間でなければならない、というのは我が師・小林康夫のテーゼそのものでした。コロナ禍でこそ、改めてこのことに思いを馳せ、2020年の残り数日を駆け抜けたいと思います。

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