日本・モロッコ国交樹立65周年記念コンサート

長らく調整していたプロジェクトを一つ発表!駐日モロッコ大使館様の後援のもと、8月29日:横浜関内ホールにて、「日本・モロッコ国交樹立65周年記念コンサート」を指揮します。

カサブランカで指揮した際に出会ったモロッコ音楽(Adnane Matrone編曲)と日本人作曲家作品の演奏を通じて、音楽で両国に橋を架け、国交樹立65周年を記念したいと思います。オーケストラはこのために「日本・モロッコ国交樹立65周年記念オーケストラ」を特別編成いたしました。

プログラムは下記になります。多くの方々のサポートを頂き、渾身のプログラムが完成しました。

「日本・モロッコ国交樹立65周年記念コンサート」
(Memorial Concert to celebrate the 65th anniversary of the establishment of diplomatic relations between the Kingdom of Morocco and Japan.)

<前半 “SONG” >
Adnane Matrone: Hijaz
Laabi Batma(Adnane Matrone編):Khlili
貴志康一:大管弦楽の為の「日本スケッチ」より第2楽章「夜曲」
Arabo-andalous(Adnane Matrone編):Li habibi
武満徹:映画音楽「波の盆」組曲より「終曲」
武満徹/芥川也寸志:映画音楽「太平洋ひとりぼっち」組曲より

<後半 “DANCE”>
渡邉浦人:交響組曲「野人」より第3楽章「踊り」
Moroccan Popular(Adnane Matrone編):La Dance Marocaine No.3
Traditionnel Marocain(Adnane Matrone編):La Dance Marocaine No.1(Taarida)
須賀田礒太郎:「東洋組曲 〈沙漠の情景〉」全曲
第1曲:「聖地の巡礼」
第2曲:「沙漠の商隊」
第3曲:「沙漠の巡邏兵」
第4曲:「東洋の舞姫」
第5曲:「アラビア馬に跨りて」

プログラムは、前半が「歌」を、後半が「踊り」をテーマにしており、モロッコの作品はすべて日本初演となります。これらモロッコの作品に対しての「応答」となるよう、私の知り得る限りの日本人作曲家作品で最も相応しいと思われるものを組み合わせました。

恋する人への気持ちをうたったKhliliに対しては、昭和初期に流行った歌曲「君恋し」の旋律が引用されている貴志康一の「夜曲」を。長くたゆとうようなメロディラインが印象的で「大切な人」を意味するli habibiに対しては、絶美の浮遊感とうねりを持ち、太平洋を隔てて帰るべき故郷を探し求める武満徹の「波の盆」を、そして海のイマージュを引き継いで「太平洋ひとりぼっち」へ…。

後半は渡邉浦人「野人」の荒々しい踊りに対してモロッコ・ダンスが応え、コンサートメインである須賀田礒太郎の「東洋組曲<沙漠の情景>」へ。演奏するのに今回ほど適した機会はないのではないか、というほどアラビックで楽しい曲であるのみならず、実は、コンサート前半にモロッコ作品で奏でたものとよく似た旋律が随所に出てくる、という仕掛けになっています。最終楽章「アラビア馬に跨りて」はホイッスルも加えて大盛り上がりする曲です。モロッコ現地の演奏会では、お客さんも奏者もみんなでフェスのように立ち上がって踊り狂って終わったりするのですが、後半はそんな雰囲気を思い出しながら選曲しました。なお、須賀田礒太郎の生誕の地は演奏会場である関内ホールのすぐ近くであり、「東洋組曲<沙漠の情景>」全曲演奏は本邦で約15年ぶりとなります。

日本人作曲家作品としても演奏機会が限られている曲がほかにも多々含まれていると思いますので、みなさまお誘い合わせのうえご来場・ご声援頂けますと幸いです。(ただし感染状況などによって若干の曲目変更の可能性がございます。)チケットは18日頃にteketを通して公開される予定ですので、またその際にお知らせさせていただきます。

最後に、私とモロッコの縁について少しだけ書いておこうと思います。私とモロッコの縁は2018年に遡ります。きっかけは、2018年にポルトガルの国際指揮コンクールを受けた際、同じくコンテスタントだったモロッコの指揮者と親しくなったことでした。

「自分がカサブランカでディレクターをやっている音楽祭があるのだけど、指揮しにきてくれないか。できれば日本から奏者も連れてきてくれると嬉しい。」

それが、今回の編曲者でもありカサブランカの誇る音楽家でもあるAdnane Matroneでした。彼の真剣な眼差しに射抜かれ、なかば無謀ともいえるその呼びかけに真剣に応えようとした結果、駐日モロッコ大使館様のサポートを頂くことととなり、ありとあらゆる国際的な調整を試みて、2019年には日本人奏者11人を連れてモロッコに渡って音楽祭で邦人作曲家作品を中心に演奏するに至りました。これが幸いにも好評を頂き、現地メディアやTVなどにも大々的に取り上げられることになって、モロッコと私たちの絆が本格的に生まれたというわけです。

2019.4.8 Aujourd’hui LE MAROC紙 
Al Aoula -société nationale de Radiodiffusion et de télévision – (Maroc)出演,2019 

2021年。実はモロッコで共演した現地合唱団(素晴らしいクオリティです)を日本に呼んで、日本でモロッコの曲を一緒にやろう、という計画を立てていました。しかしこのコロナ禍ではそれはさすがに現実的ではありません。だからといって、モロッコでお世話になった人たちとの絆を絶やしたくない。モロッコに不慣れな私たちを、現地のみなさんは本当に親切に面倒をみてくださったのです。その恩返しをしたい、という気持ちがずっとありました。

そうした想いから、ともにモロッコに渡った友人たちと、この状況でも何かできないかを構想しはじめて生まれたのがこのコンサートでした。当初は、「日本でモロッコ音楽と邦人作曲家作品を演奏するコンサートを企画し、その様子を現地に動画でお送りする」という企画だったのですが、駐日モロッコ大使館様にこのアイデアをプレゼンしたところ、ラシャッド・ブフラル大使閣下から直々大変な激励を頂戴し、予想していたよりも大きなプロジェクトになって今に至ります。大使閣下からも応援のレターを頂戴しましたこと、この場を借りて心より御礼申し上げます。

画像:ラシャッド・ブフラル駐日モロッコ大使閣下より頂戴した激励レター(大使館様より公開許可を頂いております。転載はご遠慮ください。)

さあ、準備はほとんど整いました。ふたたび感染状況の広がりが懸念される昨今ですが、リハーサルの日にちも本番前日のたった一日だけ(しかも相当に広い会場で…!)に限定してありますし、奏者も安心して参加できるように様々な条件や予防策を設けさせて頂きました。たくさんの友人たちがスタッフとして手伝ってくれるおかげで、コンサート当日も万全の感染対策を取ることができるようになっています。あとは全身全霊で演奏するだけ!どうぞお楽しみにいただければ幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です