東京に来てからもう10年近くになるけれども、そのなかでも「目の覚めるような体験」を挙げるとすれば、このダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)が真っ先に思いつきます。体験が3回、引率が2回。音楽に行き詰まったときには、いつもDIDを訪れてきました。
皆さんに知ってほしくて、大学時代のゼミの後輩や、オーケストラの友人たち、教え子たちを事あるごとにお連れしてきましたが、今回は、東京大学のゼミナール「学藝饗宴」の学生たちを引率して行ってきました。DIDに引率していつも楽しみなのは、入る前と入ったあとで、表情や人との距離感が全く変わっているということ。世の中に情報量が多すぎる…!といいながら出てくる学生たちを見ていると、ああ、こういう体験はしようと思っても中々出来るものではないなとしみじみ思わされます。
はじめて行ったときの感想はこちら。大学二年生のときでした。次に立花ゼミナールの学生たちを引率したときの感想はこちら。大学三年生のときでした。そのあとに、大学院に進んでからも二回ほど行ったと思います。自分が「光」を専門にしたフランス文化史や比較芸術を専門にすることとなったのも、このDIDでの体験と無縁ではありません。
今日、ここで引率した「学藝饗宴」ゼミの学生にとっても、自分を揺るがすような体験になったらいいな。僕もまた、改めて体験しに来たいと思います。