フランスで33年続くユースオーケストラの祭典Festival Eurochestries Internationalに、招聘指揮者としてお声がけ頂き参加します。日本人初の参加になります。2019年にモロッコの国際音楽祭で武満徹と芥川也寸志の作品を指揮しているときに、音楽祭プレジデントのClaude Révolteと知己を得たことがきっかけとなりました。
11カ国から330人の音楽家が集まる夏。私はファイナルコンサートで11か国の合同オーケストラを指揮します。今回のメイン曲として選んだのは、伊藤康英「管弦楽のための交響詩 ぐるりよざ」の第3楽章「祭り」。グレゴリオ聖歌、長崎の隠れキリシタンたちの歌、「長崎ぶらぶら節」など、西洋と日本の旋律が交錯する作品として、今回の音楽祭・そして演奏場所(かつてカトリックの拠点だった城!)にピッタリな曲です。100曲ぐらい候補を考えましたがやはりこれしかないと確信しています。ウクライナからの合唱団も交えて演奏するつもりです。たぶん、凄いことになるでしょう。
作曲の伊藤先生は、私が音楽監督を務めているエル・システマジャパンとの関わりも深く(先日相馬で演奏した「相馬盆唄」のアレンジも伊藤先生です)吹奏楽の音楽監督である岡崎先生にお繋ぎを頂いて今回フランスでの演奏のご快諾を頂きました。たくさんの人のサポートと繋がりでここまでたどり着いたことに感謝するばかりです。ちなみに、急遽ロッシーニのファゴット協奏曲も指揮することになりましたが、ここまで来たからにはもう何でもかかってこいという気分です(笑)
日本から音楽祭の会場であるJonzac(コニャックの産地のすぐ近くです)までは合計24時間近くを要しました。それでも行くぞと思ったのは、Claudeと2年前に約束したから。さまざまなリスクを抱えての渡航ですが、もう止まってはいられないし、何より友情とか約束とか、そういうものを大切にしたい。ベストを尽くしてきます!