ブラジル音楽アカデミー コレスポンディング・メンバー選出のお知らせ

このたび、ブラジル音楽アカデミーのコレスポンディング・メンバー(在外会員)に選出されました。ブラジル音楽アカデミーはヴィラ=ロボスによって設立された、ブラジル最高権威の音楽機関で、フランスのアカデミー・フランセーズを模範に作られたものです。

ブラジル在住で最高峰の実績を残している演奏家や音楽学者が40名定員の正規メンバーを務め、 ブラジル非在住だがブラジル音楽に特別な功績を残したアーティストや学者が「コレスポンディング・メンバー」として選出されます。

過去のコレスポンディング・メンバーは、ピアニストのルービンシュタイン、マルグリット・ロン、ホルショフスキー、作曲家のヒナステラなど。 現在では世界トップクラスのヨーロッパ在住ブラジル音楽研究者たちが選ばれており、ここに、アジア初のコレスポンディング・メンバーとして名を連ねることになりました。

これまで共にブラジル音楽を演奏してくださった全ての方に、そして力強く支えてくださるブラジルの友人たちに心から感謝します。ブラジルと日本をいっそう音楽で繋いでいけるよう、これからも全力を尽くします。


(上記記事の日本語訳)

木許裕介、ブラジル音楽アカデミー コレスポンディング・メンバーに選出

指揮者・研究者として、日本におけるブラジル音楽の普及と両国の文化交流を推進。ヴィラ=ロボス研究においても顕著な業績を挙げる。

指揮者の木許裕介が、10月13日に開催されたブラジル音楽アカデミー(Academia Brasileira de Música、ABM)の総会において、新たなコレスポンディング・メンバー(Membro Correspondente)に選出された。アジアからの同会員選出は、アカデミー史上初となる。

木許は、恩師であり日本ヴィラ=ロボス協会の創設者でもある指揮者・村方千之の薫陶を受け、日本とブラジルの音楽・文化交流の促進に尽力してきた。19世紀から現代に至るブラジルの作曲家たちの作品を積極的に紹介し、その普及に取り組んでいる。2017年には村方の後を継ぎ、日本ヴィラ=ロボス協会の第2代会長に就任した。

2022年には、駐日ブラジル大使館との協力のもと、ブラジル独立200周年記念演奏会を企画・主催し、自ら指揮を務めた。全曲をブラジル音楽で構成したこの演奏会には、東京に駐在するブラジルおよび日本の外交関係者を含む多くの聴衆が来場した。

2026年11月6日には、ポルト・アレグレ交響楽団(OSPA)を指揮し、ブラジルと日本の作曲家による作品を取り上げる。プログラムには、カマルゴ・グァルニエリの《ピアノと室内オーケストラのためのコンチェルティーノ》、久石譲の《World Dreams》、貴志康一の交響曲《仏陀》が並ぶ。

また、2027年3月には、ヴィラ=ロボス生誕140周年を記念し、「ブラジル音楽年(Ano da Música Brasileira)」の開幕を飾る演奏会において、リオデジャネイロのブラジル国立交響楽団 (Orquestra Sinfônica Nacional da UFF)を指揮するためのブラジル訪問も計画されている。

木許は指揮活動と並行して、ブラジル音楽の研究および著述活動にも精力的に取り組んでいる。ナクソス(Naxos)の録音シリーズ「The Music of Brazil」では、複数のアルバムにおいて日本語による解説文の執筆や翻訳を担当した。2023年には、エイトル・ヴィラ=ロボスの生涯と創作活動を、ブラジルの歴史的・文化的・社会的・政治的背景から包括的に論じた、日本語による初の本格的評伝『ヴィラ=ロボス – ブラジルの大地に歌わせるために』を刊行した。同書は初版刊行から約1年後に増版され、電子書籍版も刊行された。

現在執筆中の次回作『ブラジル・クラシック音楽史』(A History of Brazilian Classical Music)では、ブラジルにおけるクラシック音楽の発展を体系的に概観する予定であり、2027年以降の刊行が見込まれている。現在、木許はエル・システマジャパン音楽監督、福井大学フィルハーモニー管弦楽団名誉指揮者、東京大学公共政策大学院リサーチ・フェロー、ZEN大学客員講師を務めている。東京大学大学院にて学術修士号を取得。

出典:ブラジル音楽アカデミー(Academia Brasileira de Música)公式ウェブサイト、2026年10月26日掲載記事。日本語訳は木許裕介による試訳。

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