こんにちはと挨拶をして棒を構えた途端、はじめましての人たちと一つの音楽に互いに向き合える。ひりつくような緊張に興奮。どう仕掛けてくるのだという予感の応酬。昨夜の九州大学芸工オケOBの皆さんとのラフマニノフ2番は最高に楽しかった。
2017年に定期演奏会(チェレプニン、プーランク、プロコエフィエフ!)を指揮させて頂いて以来、芸工オケの方々とのご縁を続けさせて頂いている。芸工オケは独特なプログラムに定評があるオーケストラだけれど、ほんとうに音楽自体に詳しい方が多くいらっしゃって、一緒に様々な作曲家のことを話すだけで楽しい。そして、みなさんスコアを把握されているので、棒に対する反応が本当に早い。ひとことでいえば、音楽を愛している方ばかり!
そんな方々と演奏するラフマニノフ2番が楽しくないわけはない。すべてを忘れて、愛してやまないこの傑作に没頭した。音楽に生きていて良かったと思えた。