Worldship Orchestra2016 マニラチーム初回リハ@名古屋、記録的な大寒波を吹っ飛ばすような熱さの篭ったリハーサルになりました。ラプソディー・イン・ブルーに三つのジャポニスムにカルミナ…自分の大好きな曲ばかり。少しの言葉で音楽がぐんぐん姿を変えて行くあの楽しみは何物にも代え難いです。
今回のWorldship Orchestraマニラチームには、はじめてお会いする方はもちろん、これまで様々なオーケストラでご一緒した方々が全国から集ってくれました。練習会場は東京でもなく大阪でもなく名古屋ということで、移動の労は決して軽くないはずなのに、これまでのWorldshipで最多となる50人近くの方々が集まって下さったことを有難く思っています。とくに昨年に私が客演指揮者をつとめた福井大学フィルハーモニー管弦楽団と東京大学フィロムジカ交響楽団から数人が参加して下さったのは幸せなことで、セカンドヴァイオリンの一プルト目が偶然にも福井大学×東京大学のお二人で構成されていたのには不思議な気持ちすらしました。昨年に私はこの二つの大学オーケストラでカリンニコフの交響曲第一番を指揮しています。この二人のヴァイオリニストは遠く場所を隔てながらも私が大切にしたカリンニコフの記憶を共有してくれているのだと考えると、音楽が人を繋いで行く喜びを思わずにはいられませんでした。
今回のマニラチームの曲目はかなり現代寄りであり、ジャズの語法や特殊な和音が含まれている曲も多々あります。たとえばラプソディー・イン・ブルーのアクセントの掛け方ひとつにしても、いわゆるクラシックとは違うように作って行きたいし、カルミナも歌の内容と合うように「真面目に弾かない」ことに拘っていきたい。一方で、もう何度も演奏している金森詩乃作曲のテーマソングWorldshipも、改めて譜面を精緻に読み直し、今まで以上にロマンティックで雄大な作りを目指していきたいと思っています。この曲のリハーサル中に、「演奏しながら泣きそうになった」と言ってくれているフルーティストがいて、とても嬉しかった。決して再現ではなく生成を試み、演奏するたびに新しく生み出していかねばなりません。
リハーサルを終えてから、「楽しすぎる!!」と先程まで弾いていた曲を歌いながら皆さんが笑っている様子をみて、深い幸せを味わいました。東京から遥々同行してくださったカメラマンの栄田さんが撮って下さった素敵な写真を見返しながら…。今回も良いチームが出来上がることを確信しています。また再来週に会いましょう!