「運命」すら味方につけて

「世界子ども音楽祭」in 東京2021終演!!音楽に全身全霊を捧げることができました。まだずっと、耳の奥にあの響きがこだましています。

急遽「第九」から曲目変更になり、リハーサルは緊急事態宣言延長で次々と無くなり、子どもと大人で揃ってリハーサルできたのはたった一日だけ!それであそこまで行けたのは、集ってくださった奏者のみなさんの集中力と、応援してくださったみなさんの愛ゆえと思います。そして、ホワイトハンドの子どもたちの「声」が私たちの心を震わせてくれたからこそです。

昨夜の「運命」はおそらく最近ではあまり聞かれなくなったテンポ設定と響きだったかもしれません。しかし私には、どうしてもこうでなくてはならないという思いがありました。いまの私が考える「運命」は、運命に打ち克つのではなく、運命すら味方につけて「共に」一つずつ歩んでいく。そういう物語です。地震、大雨、コロナ、ハンディキャップ…色々な苦しみを抱えたとしても、人はそれをポジティブな形に変えうる。人は過去の奴隷ではない。過去を抱きつつ未来を作り出すことができる。それこそが人なのだ。そして、ベートーヴェンの第五番とは、そうやって運命と共に生きていくことの決意に至る過程を描いている音楽なのだ……。

いまこのときにこのひとたちと「運命」を演奏するからには、そんなことを言わずにはいられなかったのです。そんな想いと、久しぶりに壮麗な大ホールで演奏できる喜びに満ちて、めいっぱい響きを楽しんで演奏することができました。

ご来場頂いた応援者の方から演奏家冥利に尽きるコメントを頂戴しましたので、エルシステマの公式FBで紹介された感想をスクリーンショットで共有させて頂きます。

エルシステマ ジャパンのオーケストラ部門の音楽監督になって最初のコンサートとしても、ベストを尽くすことができたと思います。機材を大量に持ち込んで相馬に向かい、相馬子どもオーケストラのビデオメッセージ部分で流れた「相馬盆唄」の録音・撮影・編集(と、モーツァルトのディヴェルティメントKv.136の指揮)をしたりと、できることはもう全部やりました。

ああ、夢が現実になっていくのはなんと楽しいことか!お運び頂いたみなさま、映像をご視聴くださったみなさま、演奏に力を貸してくださったみなさま、開催に苦心された関係者のみなさま、そして当日の設営や進行を助けてくださったスタッフのみなさまに心からお礼申し上げます。音楽していてよかった。心からそう思います。

頂いたご感想を励みに、これからも音楽に身を捧げる次第です。これからもご声援頂けましたら幸いです。

運命すら味方につけて、共に未来へ歩んでゆけ!

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