2025年おめでとうございます。

福井より新年お祝い申し上げます。年明けはストラヴィンスキーの勉強に集中したのち、田辺酒造の越前岬「福福」を口開け。絹のように滑らな口当たり、白桃を思わせる味わい…近年頂いた日本酒でトップクラスに印象的な一本で、美味しさを超えて感動。

そして今年の振り初めは福井大学フィルとのチャイコフスキー5番。学生たちと思いっきり燃焼したのち、翌日は朝から夕方までマーラー1番を静かに勉強。4楽章まで通して読んで1楽章に戻る頃には山に夕陽が沈みます。

透き通って冷たい空気のなか、鳥のさえずりを聞きながらマーラーの世界に身を浸す時間は至福としか言いようがありません。アッター湖畔のシュタインバッハ。ヴェルター湖畔のマイヤーニッヒ。南チロル山中のドッピアーコ。自然に囲まれた「小屋」を各地に持ち、山と湖のなかで作曲に集中したマーラー。彼が描きたかったものに少しでも迫るために、自然あふれる静かな環境に身を置いていたいのです。

夜には愛してやまぬ寿司屋に新年のご挨拶。すれ違うのもやっとな極小の店内に長い歴史を感じるレトロなカウンター。75歳を迎えようとする大将が握る寿司は飾らない寿司だけど、全てが最上に選び抜かれていて深い感動を覚えます。素材への愛、職人としての佇まいが格好良すぎる…。今年も五感豊かに足取り軽く歩んで参ります。

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