毎日全身全霊で振り続けて夜は学生さんたちとひたすら飲み続ける、という激しい時間でしたが、初日と最終日で別のオーケストラかと思うぐらいの変化が見られ、非常な成果を挙げた合宿になったと思います。トレーナーとして来て下さった北畠さん・岡野さんと協同しながら、一つの方向を目指して作っていくことが出来てよかった。

また、学生指揮者の方々が指揮のレッスンを次々にリクエストして下さったのも嬉しいことでした。レッスンをしていると、昨年・来年の学生指揮者さんたちが続々と集まってきてくれたので、みんなで交代交代に指揮の基本的な「技」や練習方法に取り組みました。もちろん「技」は、あくまでも想像力やwantを具現化するための「手段」にすぎないことを何度も話しながら…。

とにかくもこの数日間は音楽とお酒のことしか考えずにすみました。学生を終えてしばらく経つ今、それがとてもとても贅沢な時間であることを痛感します。それにしても、大学オケには、甲子園みたいなアツさがあるから好きなのです。僕は甲子園に出られるような野球少年ではなかったけれども、そういう一期一会の想いのこもった世界に関わることが出来ることが幸せでなりません。すべて終わったあとに、学生さんたちが良い笑顔で舞台に立てるように最善を尽くしたい。そのためなら何だってやるぞ、という気持ちになりますし、同時にまた、学生さんたちの熱量がそう思わせてくれるのです。