再びイタリアで

あけましておめでとうございます。年末年始、再びイタリアに渡り、ボローニャ歌劇場フィルハーモニーのニューイヤーコンサートのアシスタントをさせて頂いていました。10日間、ボローニャからフィレンツェまで走り回り、本番では楽屋からステージ、さらには一階から三階までを十五往復したので、筋肉痛になりました(笑)嵐のような日々でしたが、本当に得難い経験を沢山させて頂いて感謝しています。

この期間、ベルナルド・ハイティンクのリハーサルを見学させて頂く幸せに預かりました。そこで聞いたシューマンの交響曲三番『ライン』の響きがずっと頭から離れないでいます。老匠ハイティンクの限りなく小さな動きから、大河を鳥瞰するかのごときウネリが、ぞっとするほど細やかな陰影が描かれて行く様子に感動しました。と同時に、偉大なる巨匠ジョルジュ・プレートルの訃報に現地で接しました。いつかマエストロの創造の現場で勉強させて頂きたいと思っていたのに間に合わなかった。音楽にふわりと色と香りをつけていくあの神業に間近で接してみたかった…。

時間は有限なのだと改めて思います。何が自分にとって大切か、イタリアで再確認して帰ってきました。朝早く起きて、コーヒーを丁寧に淹れて楽譜にゆっくりと向かう、そういう静かな時間を決して失わないようにしたい。美学や価値に共感し合えるところにいつも身を置いていたい。

音楽と言葉をめぐって目一杯走り回り、棒を片手に世界を飛び回りたいと思いますので、みなさま今年もどうぞよろしくお願い致します。

 

言葉と音楽のあいだで
音楽と言葉のあいだで

 

 

 

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