大学院を飛び出して、指揮者として生きて行くことを決めた2015年。師を亡くしてから、沢山の方々や思いがけない出会いに支えて頂き、無事に一年の終わりまで辿り着きました。数えてみれば30公演も本番を指揮させて頂き、5月終わりに公開しましたこのウェブサイトも、半年でなんと12000以上ものアクセスを頂いておりました。
週末ごとに福井に通って、宝塚と東京を往復して、三ヶ月ごとぐらいに海外で指揮して……東京にいる日数のほうが少ないぐらいの一年間だったかもしれません。はじめての経験が沢山訪れたこの一年を通じて、自分の指揮もまた、大きく変わったのではないかと思います。これからも変わって行くことを恐れずに、迷うことを楽しみながら、この終わりなき芸術に携わって行きたい。共に時間を過ごして下さったみなさま、一年間ありがとうございました。
年末年始はゆっくり身体を休めつつ、来年に関わるトゥーランドットとカルミナ・ブラーナ、そして2月に初演する現代曲(マラルメの詩にインスパイアされたもの!)とシェイクスピアの勉強をして過ごそうと思います。「只今の一念より外はこれなく候。一念々々と重ねて一生なり。」この道を選んだ事に一抹の後悔もなく、深い充実を抱いて新年を迎えることが出来そうです。2016年度もどうぞよろしくお願い致します。