先週はエル・システマジャパンの音楽監督として第9回となる相馬の音楽祭を指揮。サポートして下さった先生方やエキストラの方々のご尽力、そして何より子どもたちの素晴らしい成長で、ヴィラ=ロボスとピアソラから始まる難易度の高いラテン・プログラム(裏テーマは「フーガ」!)を見事にみんな弾き切りました。
おそらく日本初演となるノーマン・ライデンの弦楽セレナーデは、なんと小学六年生の団員さんに指揮してもらいました。日本初演を小学六年生が振るというのはなかなか凄いでしょう?(笑)テンポ変化、5拍子など様々なテクニックが必要となる曲でしたが、半年間の指揮トレーニングの成果あり、会場にいた全ての人が驚くほど立派な指揮を披露してくれました。ステージ袖から勇姿を見ながらちょっと泣きましたね…。
管楽器のソロが煌めくビゼー「カルメン」組曲の後のアンコールには、長らく温めていたヒメネス「ルイス・アロンソの結婚」より「間奏曲」を、スタンディングプレイ付きで演奏。そして相馬が誇る「相馬盆唄」をコーラスの子どもたちと一緒に。お客様からの盛大なBravoとスタンディングオベーションまで頂き、子どもたちも破顔一笑でした。
子どもたちだからといって安易なプログラムにはしない。毎回、そこから世界が外に広がっていくような一貫性あるプログラムを組み上げ、最初は「?」と思った曲でも最後には大好きになってもらえるように練習していく。そのことを常に心がけてきました。時間差で「分かっていく」過程こそが重要だと信じます。記念すべき第10回となる来年も目一杯挑戦していきます。
<第9回音楽祭オーケストラプログラム>
ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ第9番
ピアソラ:フーガと神秘
ノーマン・ライデン:弦楽オーケストラのためのセレナーデ(日本初演?)
ビゼー:「カルメン」第一&第二組曲よりオリジナル・セレクション
ヒメネス:歌劇「ルイス・アロンソの結婚」より間奏曲(アンコール)
相馬民謡:相馬盆歌(アンコール)