イタリア紀行3:ヴェローナの野外オペラ

宿泊先の横のリストランテでランチを取っていたら、横のご夫婦と仲良くなりました。「歌劇場にオペラの勉強をしにきている」と話したところ、「じゃあAlena di Veronaにも行ってみるといいよ!」とおすすめされて、その30分後にはヴェローナに宿を予約し、特急に飛び乗っていました(笑)イタリアにきても相変わらずです。

Worldship Orchestra正指揮者を退任致しました。

昨日を持ちまして、Worldship Orchestraの正指揮者の職を辞することに致しました。スタートアップから一年半、出来る事を全力でやってきました。まだまだ課題は山積みであるものの、ひとまず私の果たすべき役割を終えたと判断した結果です。退任にあたって文章を寄せましたので、どうぞご覧下さい。理事のお二人からもメッセージを頂きました。

矛盾のバランス:モーツァルト考

モーツァルトは難しい。繊細に弾くのだが神経質であってはいけない。豊かに響くフォルテがなければいけないが、押し込んではいけない。軽やかな語尾が無くてはいけないが、つんのめってはいけない。インテンポで弾かねばならないが、メトロノーム通りではない。はじめて楽器を持って音を出したときの子供ように純粋な心でなければいけないが、純粋であろうとしてはいけない。厳しくなくてはいけないが、その根底には音楽の楽しみがなくてはいけない。

こぼれ落ちた時間

あけましておめでとうございます。元旦はさっそく、2月に初演する現代曲の譜読みをして過ごしています。特殊奏法もバリバリ、1小節ごとに拍子が変わる(17拍子とか13拍子も!)複雑な曲ですが、ひたすら向き合っていると作曲家の思考が見えてくるようで、とても楽しい。愛知県立芸術大学での初演にも関わらず、指揮者にわざわざ私を指名してくださったからには、作曲家の期待を上回るような演奏をして御礼にかえたいと思っています。

Serendipity Brass presents the Stan Kenton Christmas !

とっても楽しみにしていたコンサートStan Kenton Christmas Concertが終わってしまいました。レニングラード交響楽団元首席トランペット奏者のアレクセイ・トカレフ氏、東京フィルハーモニー交響楽団ホルン奏者の古野淳先生、クラウド・ゴードンの直弟子にしてハイノートヒッターの代名詞である杉山正先生など、クラシックとジャズの両分野のトッププロ奏者ばかりが集まった演奏会。指揮していてゾクゾクしました!

薮田翔一さんおめでとう!

書き下ろしのヴァイオリン協奏曲Rewireを初演させて頂いた現代音楽作曲家・薮田翔一さんが、ジュネーブ国際音楽コンクール 作曲部門で優勝されました。Rewireは、実際に音にしてみるとゾクゾクするぐらい神聖なところがあって感動したのを強烈に覚えています。うまく言葉にできませんが、薮田さんの作品からはいつも、空間が研ぎ澄まされていくような気配を受けます。

四年目の向日葵

8月の16日から18日にかけて、今年も宮城の石巻を回って演奏してきました。アンサンブル・コモド(学生音楽ボランティア団体Commodo)さんが毎年夏に企画されている東北でのボランティア演奏会です。2012年より数えて、今年で4年目を迎えることとなりました。

東京大学フィロムジカ交響楽団・団内演奏会を指揮します。

9月6日、東京大学フィロムジカ交響楽団の団内演奏会を指揮させて頂くことになりました。翌日からマニラ入りなので中々ハードなスケジュールですが、母校である東大、それも駒場キャンパスに呼んで頂けるようになるのは一つの夢だったので、とっても嬉しいです。団内演奏会といえどもコンサートであることには変わりありません。思い入れたっぷりに全力で頑張りたいと思います。

和の距離 – 尾高尚忠「フルート協奏曲」をめぐって –

福井へ第2回リハーサルに向かう車中でこの文章を書いている。7月初旬の東京は日照時間わずか10分程度という記録的な曇り空と雨模様だったが、昨日あたりから雲は晴れ、夏らしい陽射しが注ぎ始めた。紫外線に困りつつもどこか人々の顔は晴れやかになり、夏服を着た人々に擦れ違うことが楽しく思える。(アーウィン・ショウの『夏服を着た女たち』ではないけれども…。)

三冊をめぐって

あるインタビューでおすすめの本を三冊紹介してほしい、ということだったので、かなり悩んだ末に、コクトー『僕自身あるいは困難な存在』(La Difficulté d’être)と、リルケ『マルテの手記」(Die Aufzeichnungen des Malte Laurids Brigge)と立花隆『青春漂流』の三冊を挙げました。