
福井大学フィル64回定期演奏会(60周年記念演奏会)パンフレットに寄稿した文章を掲載させて頂きます。
イタリアから無事に帰国しました。帰って来たその足でスーツケースを荷解き&荷造り。担当している慶應SFCゼミの卒論指導のため、そのまま八ヶ岳に向かいました。時差ボケが少し残りながらも、緑溢れる環境で卒論指導および学問に専念。27時ぐらいまで毎晩のようにディスカッションでした。合宿終了後は特急あずさに乗って東京でリハーサル、ついで横浜でリハーサルと本番。そして京都で合唱稽古に福井で福井大学フィル合宿…..と、ほとんど自宅に帰らないまま日本を周遊していました。
Con Maestro Notari, Saltoria di Bologna. È un artista autentico e una sartoria artigiana. Parlo del vestito una volta, ha uno sguardo penetrante. Noi parliamo di suggestione dell’abbigliamento, poi ci troviamo bene insieme.
今週はひたすら語学のトレーニングと仕事。マンゾーニ劇場に机を頂き、ここでずっと仕事していました。困難は少なくありませんが、劇場でいい相方に巡り会い、英仏伊三言語を横断して二人であれやこれやと言いながら楽しくやっています。定時になると「トロンボーン練習してくる」といって消えるあたり、イタリアだなあと思います。(とてもよい)
宿泊先の横のリストランテでランチを取っていたら、横のご夫婦と仲良くなりました。「歌劇場にオペラの勉強をしにきている」と話したところ、「じゃあAlena di Veronaにも行ってみるといいよ!」とおすすめされて、その30分後にはヴェローナに宿を予約し、特急に飛び乗っていました(笑)イタリアにきても相変わらずです。
昨日を持ちまして、Worldship Orchestraの正指揮者の職を辞することに致しました。スタートアップから一年半、出来る事を全力でやってきました。まだまだ課題は山積みであるものの、ひとまず私の果たすべき役割を終えたと判断した結果です。退任にあたって文章を寄せましたので、どうぞご覧下さい。理事のお二人からもメッセージを頂きました。
モーツァルトは難しい。繊細に弾くのだが神経質であってはいけない。豊かに響くフォルテがなければいけないが、押し込んではいけない。軽やかな語尾が無くてはいけないが、つんのめってはいけない。インテンポで弾かねばならないが、メトロノーム通りではない。はじめて楽器を持って音を出したときの子供ように純粋な心でなければいけないが、純粋であろうとしてはいけない。厳しくなくてはいけないが、その根底には音楽の楽しみがなくてはいけない。
あけましておめでとうございます。元旦はさっそく、2月に初演する現代曲の譜読みをして過ごしています。特殊奏法もバリバリ、1小節ごとに拍子が変わる(17拍子とか13拍子も!)複雑な曲ですが、ひたすら向き合っていると作曲家の思考が見えてくるようで、とても楽しい。愛知県立芸術大学での初演にも関わらず、指揮者にわざわざ私を指名してくださったからには、作曲家の期待を上回るような演奏をして御礼にかえたいと思っています。
とっても楽しみにしていたコンサートStan Kenton Christmas Concertが終わってしまいました。レニングラード交響楽団元首席トランペット奏者のアレクセイ・トカレフ氏、東京フィルハーモニー交響楽団ホルン奏者の古野淳先生、クラウド・ゴードンの直弟子にしてハイノートヒッターの代名詞である杉山正先生など、クラシックとジャズの両分野のトッププロ奏者ばかりが集まった演奏会。指揮していてゾクゾクしました!
書き下ろしのヴァイオリン協奏曲Rewireを初演させて頂いた現代音楽作曲家・薮田翔一さんが、ジュネーブ国際音楽コンクール 作曲部門で優勝されました。Rewireは、実際に音にしてみるとゾクゾクするぐらい神聖なところがあって感動したのを強烈に覚えています。うまく言葉にできませんが、薮田さんの作品からはいつも、空間が研ぎ澄まされていくような気配を受けます。