【プログラム・ノートより】カザルス/カタルーニャ民謡「鳥の歌」

5月22日の東京文化会館コンサートのために執筆したプログラムノートを掲載致します。「パリの痕跡」というテーマを浮き彫りにするような形で執筆することを目指したものです。あくまで他のプログラムノートとの比較・連関によって成り立つ解説になっています。また、コンサート当日のプログラムノートは、ここに掲載させて頂くものから随分とカットした短縮版になっています。転載歓迎ですが、ご一報頂くか出典として本サイトに言及頂けたら幸いです。

【プログラム・ノートより】アストル・ピアソラ「フーガと神秘」

5月22日の東京文化会館コンサートのために執筆したプログラムノートを掲載致します。「パリの痕跡」というテーマを浮き彫りにするような形で執筆することを目指したものです。あくまで他のプログラムノートとの比較・連関によって成り立つ解説になっています。また、コンサート当日のプログラムノートは、こ こに掲載させて頂くものから随分とカットした短縮版になっています。転載歓迎ですが、ご一報頂くか出典として本サイトに言及頂けたら幸いです。

知性の名において

蓮實重彦先生の三島由紀夫賞受賞での質疑応答が世を騒がせている。蓮實先生に直接教えを頂いたことは勿論なかったが、蓮實先生の「伝説」をしばしば聞かせて頂いた身からすると、やっぱり凄いなあと思ってしまう。あの質疑応答に対して何かを私が言うことなど出来はしないけれども、蓮實先生のとても素敵な一文を引用しておきたい。1999年の長大な式辞の一節である。

存在の天使たち

ブラームスのブラームスらしさとは何だろう。触れた人なら誰でも少なからず味わうような、確かに存在する「ブラームスらしさ」。しかし言葉にならない「なにものか」。「ブラームスが分かるようになるのは80歳ぐらいだな」と笑っていた亡き師の大きな掌を思い出す。いまここで青い私がブラームスを論じることができるなどとは到底思えない。しかしそれでも、ある演奏が与えてくれた感動に突き動かされ、筆の向くままに言葉を綴っておく。

拍とポエジー

2月9日に愛知県立芸術大学で初演する現代曲の譜読みをしている。年明けから勉強し始めていて、未だ十分に頭の中で音が鳴り切らなかったのだけれど、背景に置かれているマラルメの詩を楽譜に書き込んでみた瞬間、突然音が鳴り始めた。作曲者のこだわる「音響の発展」とはそういうことだったのか、と腑に落ちる。音響で描き出された時制の転換。いい曲だな…と思える。

旅する日々に

合唱コンクールの審査、それから来年のオペラに関する打ち合わせを終えて、新幹線で神戸から東京に戻っています。考えてみれば今月は山手線よりも新幹線と飛行機に乗っている回数のほうが圧倒的に多いほどです。東京、福井、兵庫、大阪、京都、奈良、カンボジア……こうして日本・世界各地からお声がけ頂けるのはとても嬉しいことで、旅する日々を楽しんでいます。

出会いと再会の駒場

東京大学フィロムジカ交響楽団さんの団内演奏会にお声がけ頂いて、六年ぶりに駒場の音楽室で棒を振った。ここは自分にとって、はじめてオーケストラの前に立って棒を振った思い出の場所。モーツァルトのアイネ・クライネ・ナハトムジークに、フルート協奏曲第二番。師匠に憧れて、アンコールにヴィラ=ロボスのプレリュード。

リハーサル・ラッシュ

リハーサル・ラッシュの日々です。木曜日は新宿、金曜日は蒲田、土曜日は立川で日曜日は高尾。有り難い事にこれから12月末まで週末はほとんどリハーサルと本番が入っており、こうして沢山の方と一緒に音楽をさせて頂けるのは本当にとても幸せなことだなとしみじみ思っています。