リハーサル・ラッシュの日々です。木曜日は新宿、金曜日は蒲田、土曜日は立川で日曜日は高尾。有り難い事にこれから12月末まで週末はほとんどリハーサルと本番が入っており、こうして沢山の方と一緒に音楽をさせて頂けるのは本当にとても幸せなことだなとしみじみ思っています。
Music
2015年度秋・灘校土曜講座を担当致します。
昨年に引き続き、今年も母校である灘校の土曜講座講師としてお声がけ頂きました。昨年の講義が幸いにも好評だったようで、生徒さんたちから講義のリクエストを再度頂いて、また今年も講義をさせて頂く運びとなりました。
アリアを聞きながら
アリアを聞きながら、その人が手に収めている時間と空間の広がりを考える。時間の見通し。意識の触手を延ばしうる空間のサイズ。それを「巻き込む力」と言い換えても良いだろう。すっかり親しくなった歌の友人たちの素晴らしい演奏を聴かせて頂きながら、第一声目から人の心を鷲掴みにする「何か」はこの要素に尽きると思った。
福井大学フィル第二回リハーサル・ノート
前回の第1回リハーサル記録が福井大学フィルのみなさまから好評だったとのことで、自分の振り返りも兼ねて、せっかくなので毎回リハーサルノートを書くことにしました。今回はカリンニコフの難所でとっておきの練習方法を実践し、それから尾高のフルート協奏曲の全体像の確認を行いました。帰りの電車の中でもコンチェルトのあの変拍子ゾーンが頭から離れません…(笑)
日本・イタリア国際協同制作オペラ「道化師」(I Pagliacci)
色々なご縁を頂いて、2015年9月の中旬に姫路城・京都国立博物館・オペラシティで開催が予定されている日本・イタリア国際協同制作オペラ、レオンカヴァッロ「道化師」に、スタッフとして関わらせて頂くことになりました。
福井大学フィル、初リハーサル!
先週末は福井大学フィルハーモニー管弦楽団さんとの初リハーサルのため、福井に出かけてきました。半年間中毒のように勉強し続けたカリンニコフを実際に音にすることが出来る喜びはもちろん、福井を訪れるのは実質はじめてのようなものでしたから、旅が大好きな人間としてはもう移動だけでワクワクしてしまいます。
慶應義塾大学SFC研究所上席所員に採用されました。
本日付けで、慶應義塾大学SFC研究所上席所員(Senior Researcher, Keio Research Institute at SFC)のお名前を頂きました。指揮者として採用されるのは同研究所はじめてかもしれません。これからも様々なところで指揮する経験を積み、音楽以外の分野の方々とも協同しながら、そこで得た知見を自分なりの「言葉」に練り上げて発表するための場を頂いたと思って、さらに邁進したいと思います。researchmapにも登録致しましたので、どうぞご覧下さい。
「旅のはじまり」、「熱狂」のありかた — WSO2015年度シーズン・プログラムによせて —
正指揮者を務めておりますWorldship Orchestraの2015年度夏秋ツアーのシーズン・プログラムについて寄稿致しました。2015年度春の選曲やシーズンプログラム解説文も担当させて頂きましたが、有り難い事にこれがとても好評だったということで、夏秋ツアーについても執筆のオファーを頂いたものです。
カリンニコフ研究 Part2(交響曲第1番と同時代の彼の楽曲、特に歌曲について)
Part1では、カリンニコフ本人の手紙のリーディングを通じて、交響曲第1番執筆時の彼の状況や思考を立上がらせることを試みた。ロシア語からの翻訳ということで私には十分に訳しきれなかったところが多かったかもしれないが、交響曲第1番に彼の人生が深く刻まれているということは疑いないものになったように思う。Part2では、交響曲第1番を作曲していたころと並行する時期の彼の楽曲を見ておきたい。とりわけ、ピアノ4手による「交響曲第1番の主題によるポロネーズ」(Полонез на темы Симфонии No. 1)、および歌曲(たとえばアレクセイ・プレシチェーエフの詩によるНам звёзды кроткие мерцали)が重要になるだろう。
一人の男が人生を音楽に捧げるとき:ヘルマン・シェルヘンの肖像
カリンニコフの一番を勉強するうちに、巷に出回っているこの曲の録音はおそらく大体聞いたように思う。中でも飛び抜けて素晴らしいと思ったのがヘルマン・シェルヘンの録音だ。シェルヘンは何となく「奇抜な」解釈という印象や先入観を持っていて、カリンニコフ以外の録音についても自分から聞くことはあまり多くない指揮者だった。そして、このカリンニコフの録音を聞いて、そんなふうに思っていた自らの不明を強く恥じた。なんと明瞭で緻密な演奏だろうか!