本日の東大「学藝饗宴」ゼミは、大好きな作家・平野啓一郎さんをゲストにお招きして対談と対話。ご新刊『ある男』を切り口に、比喩の力、愛と恋の関係、他人の生を生きることについて、などからスタート!
Lesson
武術家・甲野善紀先生との対話
ディレクターをしている東京大学の学藝饗宴ゼミ、「表現と身体」セクションの最終回は、古武術研究家の甲野善紀先生をお招きして、沢山の実演とお話を頂きました。
灘校土曜講座2016 -終わりなき「冒険」をめぐって-
三年目となる灘校土曜講座、好評のうちに終了致しました。今年度は前半に芸術論と組織論、後半に「展覧会の絵」を用いた指揮レッスンを行いました。前半では、まずジャコメッティの「冒険」について話すところからはじめ、出口のない不可能の領域のなかを真っ直ぐ突き進むことを、言い換えれば「答えのない問い」に立ち向かうことの意味を伝えたつもりです。
別れと出発
春は別れと出発の季節です。今年はとくに、あまりにも沢山のことがありすぎて、気持ちの整理がつくまでに随分と長い時間を必要としました。一つ一つの別れについて書き始めればキリがなく、そのどれもが印象的なものなのだけれども、ここではある一人の人との別れについて書いてみようと書いてみようと思います。それは、大学生のころから三年間にわたって指揮のレッスンをしてきたお弟子さんのことです。
指揮を教えるということ
昨夜の指揮レッスンはとてもメモリアルな一日となった。亡き師より仰せつかり1から教えさせて頂いたお弟子さんが、初級課程を2年間かけてついに修了したのだ。折しもその日は私の28歳の誕生日。初級課程の最後の課題としていたギロック「叙情組曲集」を振り終えたあと、彼女は唐突に3拍子を振り始め、サプライズでハッピーバースデーを演奏してくれた。少し照れくさそうな表情でハッピーバースデーを指揮してくれる彼女を見ながら、今日この日まで彼女が音楽を好きでいてくれて良かったと心から思った。なぜならば、それこそが亡き師が私に教えて下さったものであったからだ。