武術家・甲野善紀先生との対話

ディレクターをしている東京大学の学藝饗宴ゼミ、「表現と身体」セクションの最終回は、古武術研究家の甲野善紀先生をお招きして、沢山の実演とお話を頂きました。

あまりに刺激的で、三時間があっという間!指の握りひとつで常識を覆してしまう甲野先生。全く気配無く、自分の知る「拍」や時間の感覚から完全に違う隙間で動きが飛んでくるのです。一度も避けられず、何度打たれたことか…(笑)甲野先生のことを知ったのは野球部時代、自分が中学生のころでした。それから指揮の村方千之先生に弟子入りし、その「削り」の美学や仙人の如き身体操法に触れるたび、甲野先生のことを思い出していました。15年来の憧れの先生とお話できる機会を得て、本当に幸せでした。

指揮が未来を予期させる術であるとすれば、甲野先生の動きは、まったく未来を予期させない術だと言えます。両者は正反対のベクトルを向いているようでいて、「脱力」とか「相手のエネルギーを使う」とか、根本には同じ哲学や原理があるように思っています。

学術、芸術(あるいは魔術)と来て最後は武術。「術」を横断するという、ずっとやりたかった試みを果たすことが出来ました。肌が震えるような体験を学生さんたちが一度でも味わってくれたならば、喜びここに尽きます。

 

甲野先生の抜刀術に痺れる。
甲野先生の抜刀術に痺れる。

 

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